.......2005年01月23日 (Sun) .......

■汚れちゃったのはどっちだ 世界か自分の方か
【更新時間 20:24】


突発不定期連載SS:自信家なウルフと気ままな海蛇サーペント。 Phase.3-海蛇のカプリッツォ(狂想曲)-

彼女は、困惑していた。
先を読んだかのような突然の発言。何れ自分が言おうと思っていた台詞。
完全に、想定外。
「……一体、如何いうつもりかしら?」
やはりこの娘にも何かしら裏があるのだろうか。
そう考え、少し警戒を含んだ口調で言葉を放った。
『もし、向こうも同じ理由だとしたら……わたくしも相当低く見られたものね……。』
少女が口を開けるまでの一瞬が、ひどく長く感じられた。

「そんなコワイお顔しないでよぉ……ただ、みずは絵梨朱ちゃんと冒険してみたいだけなの……。」
またも想定外。
『……この期に及んで冒険? 何を寝ぼけたことを言っているのでしょう、この娘は……。』
本当に素っ頓狂な答えである。
バトルファイトも残り12体、もう終盤へと差し掛かってきたというのにこの台詞。緊張感の無いことこの上ない。
彼女は呆れて言葉を失った。
つい先程までの緊張が無駄になったような、そんな気分で。
「やっぱり、変かなぁ?」
「えぇ、非常に変わっておいでですわね。」
蛇の少女の問いかけに心無げに答えて、彼女は逆に一言繰り出した。
「それはそうと、何故わたくしとなのですか? 別に他の子でもいいはずでしょう?」
当然の疑問だった。狼の少女ならば“海蛇ならば落すのは容易い”というように、海蛇にも理由があるはずである。そんなことを言うわけにもいかないけれど。
それに、これで怪しい態度を見せれば、今までの言は嘘であり、ただ単に自分を利用する為だけだとわかる。
そうとわかれば、先手を打って殺すだけ。彼女のスピードがあれば、海蛇の胴元にも容易く喰らい付ける。
とても賢い質問。
『あまり考えずに言いましたけど……中々答え難い質問のはずですわ。 流石、狼の祖たるネオシスター、ですわ♪』
……本人が悦に浸ってなければ、の話だけれど。

だが、海蛇は案外早くこの質問の答えを言った。
「……だって、ほかのみんな……みずと冒険、してくれないんだもん……」
その瞬間、少女の眼から唐突に水分があふれ出した。
白銀の鎧は、跪いて涙を流したのだ。
『全く、まさか泣き出すだなんて……本当に彼女はカテゴリーQなのかしら? 情けないですわ……。』
彼女はこの返答に呆れていた。
まさかそんなことの為に自分を?
そう思うと、無性に腹が立ってていた。
「それはそうですわ。バトルファイトの真っ只中で、そんなごっこ遊びに付き合ってくれる者なんて……」
「だってだって、解放されなきゃ冒険も何にも出来ないんだもんっ! それなのに……みんな、みずを笑ったり、攻撃してきたりするんだもん……。みんなといっぱい冒険したいだけなのにぃ……っ。」
彼女の言葉を、少女は泣き喚いてかき消した。
『ギャーギャーと五月蝿い……ですわね……』
彼女の怒りはもう頂点であった。
「ねぇっ……絵梨朱ちゃんは、みずといっしょに来てくれる??」
我儘などを言って通じると思っているその心根に、心底腹が立っていた。
彼女はスッと、刃に覆われた右手を掲げた。
「そんなに五月蝿いと……」
引き裂いてあげる、そう言おうとした瞬間だった。
「もう、絵梨朱ちゃんしかいないのっ!」
ピクリ、と彼女の耳が動いた。
「絵梨朱ちゃんにしか……頼めないの。」
彼女の鼓動が一拍、大きくなった。
「みんなはダメって言うけど……絵梨朱ちゃんは・・・・・・・、来てくれるよね……?」

もともと彼女は、自己顕示欲の強いネオシスターであった。
頼ってくる者を無下に扱って評判を落すよりは、しっかりと面倒を見ることによって“自分”という存在を周囲に知らしめる方が、何かと得だと知っていた。
だから、このような少女の我儘に似た頼みごとでさえも……
「……それほど言うのでありましたら、付き合って差し上げますわ。」
……こうして、つい承諾してしまうのである。
「……え、ホント??」
「ただ、条件としてわたくしにも付き合ってもらいますけどね。それでも良ければ、この手を掴みなさい。ほら。」
彼女は引き裂く為に振り上げた右手を、掬うために少女に差し出した。
「……うんっっ!!」
少女はギュッと、右手を掴んだ。離さないように、強く。

こうして、ウルフ海蛇サーペントの冒険が始まった。
『……まぁ、このくらいでカテゴリーQの一人の協力が得られるのだとしたら、チョロいものですわ。冒険にはテキトーに付き合ってあげて、片っ端から他のネオシスター倒しに協力してもらって、後はポイですわ。この様子なら楽勝ですわ♪』
などと、裏で考えつつも。



……ウルフエリスの耳って、犬耳? (ォィ
微妙に疑問に思いつつ、おハローデス、六寺デス。
当サイトのアドレスの覚え方は、『亞里亞と奈々に捧ぐ愛.fc2web.com/』デス。 (←なんか上機嫌)
いや、それというのもこちら(1/20参照)でやたらと褒めちぎられてしまったからなのデスけど……うひゃあ、すっげこそばゆいデス。
何でこんなアドレスにしたかというと、移転する前の場所がジオの番号指定の場所で、『こちら』という、色気もなんも無いアドレスだった所為であるのが大きいと思いマス。
そのためかSilver Zeppelinさん(跡地行き)貴也の館さん(白雪鯖を見つけて登録だそうで)やよつばねぎさんみたいに“わかりやすくてストレートなアドにしたい!”とか思うようになったのデス。
その結果がこのアド、ちうことデス。
まぁ、最初“339”には“瑞葵(水樹)”の意味合いの方が大きかったのデスが、文章にする過程で、“捧ぐ”の方になったという裏情報もありマスが。
麻:要するに、お前は救いようの無いほどに完全に亞里亞の狗だってことだな。
……てへ。
と、とにもかくにも有難うゴザイマシタ♪



つづく







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