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Mizuki's ShortStory 1

白いお花の日









今日は雲がぜーんぜんみつからない、とってもいいお天気でした。

だからみずは、ちょっとお外に出かけてみました。ホントは冒険したかったんだけど、お時間がなかったから近くの公園に行ったの。



その公園のちょっと奥でね…みず、見つけたの!何か、っていうとね…とってもおっきくてキレイな白いお花のついた木!

おにいたんが見たら、きっとビックリするの!

ホントにキレイで…みず、そのお花にしばらくぽやーっと見とれてたの。

そしたらいきなり、パッと思い出したの……ううん、思い出したっていうのは変かなぁ?だって忘れてないもん!『白いお花の日』のこと





みずが、今よりもうちょっとちっちゃいころ…みずがまだひとりで眠れなかったころに、今日みたいな……ううん、今日よりもずーっととってもいいお天気の日があったの!

それでみず、おうちの中にいるのがもったいないなぁって思って…だんだん、『おにいたんと冒険に行きたい』って思ってきたの。こんな日におにいたんと冒険できたらきっと楽しい、って思ったの!

……けど、そのころのおにいたん、とっても忙しそうにしてて……みず、なかなか会えなかったの……。

もし、おにいたんに『行かない』って言われたらどうしよう……それよりも、もし、おにいたんに会えなかったらどうしよう……。

そうなったらみず、きっと泣いちゃうし……おにいたんを困らせちゃうかも、って思ったの……。

だからみずは、一人で冒険に行くことにしました。それならおにいたんを困らせちゃったりしないから、って思って…。

けど、やっぱりおにいたんには来てもらいたかったから……覚えたばっかりのひらがなでお手紙を書いて、おにいたんの家のポストに入れておいたの。





それから、みずは急いで冒険の支度をして、近くの森まで冒険に行ったの。

この森には一回だけおにいたんといっしょに入ったこともあるし、そのときはなぁんにも起きなかったから、みずだけでも大丈夫!

そう思って、みずは森の中に入っていったの。



森に入ってから少しまでは木も草もそんなに生えてなくって、『これならラクラク♪』って思ったの。

らんらんらん、らんらんらん。いつのまにかお歌をうたってた

らんらんらん、らんらんらん。鳥さんも楽しそうに飛んでるの

らんらんらん、らんらんらん。ちっちゃなリスさんも、みずを見て楽しそうにしてるの

みず、だんだん楽しくなってユカイになってきて、どんどん奥に奥に進んでいったの。





しばらくして、みずは木に寄りかかっておやすみしました。

このころ、みずはまだそんなにチカラなかったから、すぐに疲れちゃったの。

上のほうを見てみると、木の葉っぱのスキマから見えるお日様ととっても青いお空!とってもキレイで…みず、とってもウレシくなったの



そうやって、ぼんやりとお空を見つめてたんだけどね……なにか、ガサガサ、って音がしたの。『何の音だろ?』って思って周りをぐるーっと見てみたの。そしたら……。

「……シャーー!!」

みずの目の前には……ベロをチョロチョロ出して、目をギロリと光らせて、ちょっぴり怒ったみたいにみずを見つめてる、ヘビさんが……。

このころのみず、ヘビさんはそんなにキライじゃなかったの。けど……そんなお顔でジィッと見られたら……みず、とってもコワクなってきちゃって……。

「……っく……うぅ……うわぁーーん!!」

みずは泣きながら、急いでヘビさんから逃げました。

今思い出してもとってもコワイ、ヘビさんのお顔……そのヘビさんに追いつかれないように、いっぱいいっぱい走りました……。

「……おにいたーん!!おにいたぁーんっ!!」

コワくて、コワくて、コワくて……みずは、おにいたんを走りながらずーっと呼んでいました……。そしたら……。

「おにいたーん!おにいた……きゃあっ!!」

ドサッ、っておっきな音をたてて……みず、転んじゃったの……。

あわててまた立ち上がろうとしたんだけど……ヒザにケガしちゃったみたいで立ち上がれなくって……。

周りを見てみたら、木がさっきよりもいっぱい生えてて、上のほうを見ても、そろそろしずんじゃいそうなお日様がほんのちょっぴりだけ見えて……急にサミしくなったの……。

コワくて、イタくて、サミしくて……みずはもう、ガマンできなくなって、おっきな声で叫びました。

「おにいたーーん!!みずはココだよーー!!早く来てーー!!」



……そしたらね、声がしたの。ちょっとだけなんだけど、その声が誰の声か、みずにはすぐわかりました

「瑞葵ーー?瑞葵ーー?」

……そう、その声は、おにいたんの声だったの!

だから、みずはもう一度叫んでみました。

「おにいたーーん!!」

するとね、おにいたんがみずの目の前の木のウシロからひょっこりお顔を出したの

おにいたんはみずを見つけると、すぐに近づいてきて、

「瑞葵、大丈夫?ケガ、してないかい?」

おにいたんは、みずを心配そうに見ながら言いました。だからみずは、

「ちょっとヒザがイタかったけど、おにいたんが来てくれたからもうダイジョウブ

って、答えました。

おにいたんが来てくれたら、コワイのもサミシイのもイタイのもとんでっちゃったの

そしたらおにいたん、みずのことをヒョイっとお姫さま抱っこしてくれたの!

そのときに、たまたまみずのヒザが見えたんだけど……ちょっぴりだけど血が出てたの。そして、おにいたんは『帰ろう?』ってだけ言って、歩きだしました。

みずはダイジョウブ、って言ったのに……おにいたんはやっぱりやさしいの





おにいたんが歩きだしてちょっとしたときに、みずの目の前にね……。

「うわーーキレイ……。」

とーってもキレイでおっきなお花のついた木が、いーっぱいあったの!

「こんなの……来たときには見かけなかったのに……。」

って言って、おにいたんもびっくりしてたの。

けど、みずにはわかるのこのお花は、おにいたんがみずのことを見つけてくれたのを、『オメデトウ』って言ってくれるんだ、って……。



おにいたん、とぉーってもとぉーっても、アリガトウ





そろそろ、また『白いお花の日』がきます……。

今度はドコに冒険に行こうかなぁ?

モチロン、おにいたんもいっしょだよ

おにいたんとなら、世界中どこまでも行けるんだもん!






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