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今日は特別な日です。

今日……10月18日はボクの誕生日!

なんだけれど……1つだけ、心配なことがあるんだ……。












It's a special night













それは……あにぃのこと……。


いつもなら誕生日前に『何か欲しいものってあるかい?』って言って、ホントにそのとおりのもの買って、ボクをビックリさせてくれるんだけど……。

今年はなんだか忙しそうで……なかなか会ってもくれなくて……。

って、あ! あにぃだ!!


「お〜いっ! あにぃ〜!」


……あれれ? 気付いてないのかなぁ? もういっか…………


「え……」


あにぃが、知らない女の子と一緒にいる……。

え、ええ? 一体……どういうこと……?




家に帰っても、ずっとそのことが気になってた。

あの女の子は誰なんだろう?

あの子と一体、何をしてたんだろう?

あにぃとあの子の関係って?

何で……今日、一緒にいたんだろう……?


そんなことで、頭がいっぱいになってた。

ずっと、自分の部屋の中でこもりっきりだった。

晩ご飯も『今日は要らない』って言っちゃったし……。

せっかく、ケーキも買ってきてもらったのに……。

そんなことがどうでもよくなるくらい、ずっとあにぃのこと、考えてた……。


もし、あの子があにぃのカノジョだったら?

もし、あれがあにぃとあの子のデートの途中だったら?

もし、あにぃがボクの誕生日のこと、忘れてたら?


考えれば考えるほど、胸がキューってなって……すっごい、苦しかった……。





ピンポーン……

そのときだったんだ、玄関のチャイムの音が聞こえたのは。

ボクは急いで階段を下りてったんだ。

あにぃが来てくれる……そんな気がして。

けど……


「こんばんわー、宅急便ですがー?」


階段を降りてる途中で、そんな声が玄関から聞こえたんだ……。

ボクは、そこで足を止めた。

やっぱり、あにぃはボクの誕生日なんて、忘れてるんだ……。

そう、思ったんだ……。


「すいませーん? おたくに衛ちゃんはいませんかー?」


その瞬間に、配達員さんがそう言ったんだ。

ボクの名前は男の子っぽくて、初めて見る人は大抵、男の子と間違えちゃうんだ。

なのに、その人は女の子だってわかったんだ……。


「お兄ちゃんから、お届け物ですよー!」


遠かったからわからなかった。けど、その声はあにぃの声だったんだ……。

ボクは慌てて残りの階段を跳び降りて、玄関に向かったんだ!


「あ! あにぃ! 来て……くれたんだ……。」


ドアを開けたら、前であにぃが何か袋を持って立ってたんだ……。


「あにぃ、すっごく忙しそうだったから……てっきり来ないって思ってたよ……。」


そしたらあにぃは、心配かけさせちゃったね、って言って……頭を撫でてくれて……。


「……ホントに……そう……思ってたんだよ……ホントに……」


……一粒、涙が出てきちゃったんだ……。

そしたら、あにぃってば『泣いてるの?』なんて聞いてきて……。


「な、泣いてなんかないよ! ほ、ほらっ!!」


慌てて言ったけど、あにぃ、ニコニコ笑ってるんだ……。

そしたらまた、涙が出てきて……。


「あ、あれ……おかしいや……泣いて……ないのに……」


出てきて……止まらなくって……。


「…………あにぃっ!!」










あのとき一緒にいた女の子は、あにぃと同じで妹の誕生日が近くて、どんなプレゼントを選んだらいいか一緒に考えてあげてただけなんだって。

だから、ボクの考えてたようなことはない、ってあにぃは言ってくれたんだ……。



それは良かったんだけど……このプレゼントは…………?

白いフリフリの服と、ネコミミのついたカチューシャ……。







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あとがき


以上、六寺のあらデシタ〜






閉じて戻ってクダサイ



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