「Je n'entends plus le contre-chant De mon amour À contre amour〜」 亞里亞は、リッパなレディになるためのレッスンをしています。今日は、お歌をいっぱい歌うの。亞里亞、お歌を歌うのはスキだから、たくさんガンバれるの……♡ ココで歌うのは、フランスのお歌だけです。だから、ちょっぴり気になるの。……兄やのいる日本では、どんなお歌があるのかなぁ、って。それに、兄やはどんなお歌がスキなのかなぁ……。 「………ぁさん、亞里亞さんっ!?」 ……あ、先生、おこってるの……。イヤなの、おこられるのキライ……。 |
ねぇ、兄や? 亞里亞……じいやや先生の前では、おこられたって泣かなくなったのよ。兄やにビデオレターを送るときだって、じいやには別のトコロに行ってて、って言ったもの。それに、今だってみんなの前では泣かないように、ってガンバっているの。だから、じいやは「最近は泣かずにがんばっておられて、亞里亞さまは本当に成長なされましたわ」ってホメてくれるの。 けどね、ホントはね……。 「……くすん……くすんくすん……」 ホントは、とってもカナシイの……。亞里亞は、コワイのキライなの……。だけど、リッパなレディは、人前で泣いちゃイケナイの。だから、お部屋のベットの中で、くすんくすんってしてるの……。 「兄やぁ……逢いたいの……」 それでね、とーってもとーっても、兄やに逢いたくなるの……。 兄やは、いつだって目を閉じれば居るよ、って亞里亞に教えてくれました。けど……亞里亞は、はやくホンモノの兄やに逢いたいの。兄やに、亞里亞をギュッてしてほしいの……。 そう思っていたらね、こんこんっ、ってお部屋のドアを叩く音がしたの。 「亞里亞さま、いらっしゃいますか?」 向こうからじいやの声がしました。亞里亞が、居ますよって答えたら、じいやはお部屋のドアを開けて、お見せしたいものがございます、って言って亞里亞に封筒を見せてくれたの。それにはね……。 「わぁ……兄やの字なの!」 これが兄やからの、ってわかったら……亞里亞、すっごいウレシくって、それにドキドキしちゃって……うふふ♡ 思わずじいやに早く中を見せて、ってせかしちゃったの♪ 「ふふ……亞里亞さま、お焦りにならなくても逃げませんから、少々お待ち下さいね?」 じいやはそう言うとニコッと笑って、封筒の中身を出しました。中から出てきたのは、DVDだったの。亞里亞は、何が見れるのかなぁ、って色んなコトを考えちゃいました♡ じいやがディスクを入れて、テレビのスイッチを付けると、テレビがゼンブ真っ青になりました。ドキドキしながらテレビをジーッと見ていると、パッと絵が変わりました。 けど……木と原っぱとお空のお星サマしか映ってなかったの……。くすん、兄やはドコにいるの?? 早く、兄やのお顔を見せて……。 そうやって亞里亞がオネガイしたらね、テレビの左の方からヒョコ、って兄やがお顔を出してくれたの! 兄やは一度コホンってしてから、亞里亞のほうを見て、お話を始めてくれました。最初は、カメラ越しに話すなんて慣れないなぁ、ってハズカシそうにしてて……くすくす、なんだか兄や、とってもカワイかったの♡ けどね、兄やはお話を始めると、日本であったいろんなコトを教えてくれました。亞里亞がいない間……兄やは、楽しそうでした。兄やは亞里亞がいない間に、亞里亞の行ったことないトコに行って、亞里亞のしたことのないコトをして……そして、兄やはウレシそうにそのことを話してて……。 ねぇ、兄や? 亞里亞は…………このままフランスにいた方がイイの? そしたら、兄やはお話をやめて、亞里亞のコトをジッと見つめました。 「けどね……もし、亞里亞が日本にいたら、もっと楽しかったのかなぁ……って思うんだ」 ……え? ホントなの、兄や? 亞里亞は、兄やと同じようにジッと兄やのコトを見つめました。 「亞里亞がいつか日本に帰ってきたら、色んなコトしよう。亞里亞がまだ行ったことないトコに行って、まだしたことのないいろんなコトを、させてあげたいんだ。亞里亞と一緒に……ね?」 兄や……兄や、逢いたいの、兄やぁ……。 「だから…… うん、亞里亞……がんばるの。今までより、もっとずぅーっとがんばる……。早く、兄やに逢いたいから……。 ……あれ、亞里亞……ナミダが出てきちゃったの……くすん、くすん……。 「…………それじゃあね、亞里亞。また、今度。…………………亞里亞、だい」 そこで、テレビはいきなり真っ黒になっちゃいました。 ……亞里亞が日本に帰ったら、続きをオシエてね、兄や……♡ ……くすん。 「本当に、お会いにならなくて宜しいのですか?」 「ええ、様子さえ見られればそれで良かったので。それに、此処で会ってしまうのも、少し違う気がしますし」 「そうですか……」 「それでは、じいやさん……亞里亞をお願い致します」 「勿論ですよ。私は亞里亞さまの“じいや”なのですから」 「……はは、そうですね。では、失礼します」 「はい、お気を付けて……」 ……本当は、逢いたくてしかたないんだ。けど、僕がそんな弱いコトなんて、言ってはイケナイだろう? だって、僕は亞里亞の“兄や”なんだから。 side.A end
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